【江東区にお住まいの働くパパ・ママに朗報です!!】

 遂に、江東区政が認可病児保育を2箇所増やすことを発表しました。

(2019.2.4 東京MXニュース)

 まだ我々の病児保育施設が認可を取れたわけではありませんが、共働きの家族世帯が急増している江東区内に病児保育が2箇所増えることは充分に社会的意義のあることだと思います。

もちろん、これから我々の認可外病児保育施設が認可を取れるように準備していきます。

そして、ここに至るまでには多くの皆様の協力があってこそ実現したことだと思っています。

まずは、湾岸地域にお住まいの皆様には、署名活動ならびに区長へのメール投稿などに協力いただき感謝しています。

また病児保育を行う場所を提供していただきました、シェルタワーにお住まいの皆様に感謝しています。

また1月10日には多くの報道陣にも記者会見という場にお越しいただき、その後病児保育が不足していることを報道していただき感謝しています。

そして赤字必須とわかっていながらも、NPO法人フローレンスの代表駒崎さんをはじめスタッフの皆様、

それを支えていただいた当院のパートナー(スタッフ)の皆様に感謝しています。

これは関わって下さった方、皆さんでつかんだ勝利です。改めて心より感謝と御礼を申し上げます。

 

私は、2010年に有明こどもクリニック(現在の有明院)を開設しました。

当初は、病気の早期発見・予防を通じて、重症化する子供達を減らすことができればという思いでした。

しかし、実際に診療を開始してみると、多くのご両親が仕事と育児の両立に悩んでいることを知りました。

例えば、インフルエンザに子供が罹患すると、発症翌日から5日間は休む必要があります。

小児科医の立場で、お子さんが病気なので仕事を休んでくださいというのは簡単です。

しかし、それだけでは益々仕事と育児の両立を難しくなるだけで、都心を中心に日本の少子化は起こるべくして起こっているという現実を知ることになりました。

 

あるご両親からいただいた言葉は、いまも忘れられません。

私たち夫婦は、共働きのため夫婦共同で住宅ローンを組んで、マンションを購入しました。

保育園にやっとのことで入園し、仕事を再開できるところまでも大変でした。

しかし、入園した後も発熱などの病気のたびに、クリニックからお休みしてくださいと言われ、仕事を休んでいます。

休みを取り続けていたところ、有給を使い果たしました。

そして、これ以上休むと私はクビになっていまいます。

もしもクビになってしまったら住宅ローンの返済が継続できなくなるため、マンションを売却しこの地域から引っ越さなくてはいけません、、、

 

この時(7年前)から私は湾岸地域に病児保育を作れないかと、診療の合間をぬって江東区の保育課とお話を重ねてきました。

その際の、返答はいつも一緒でした。

・既存の病児保育施設の利用率が低いため、病児保育は余っています。

・これ以上江東区内に病児保育を増やすことはできません。

 

しかし、利用者側の意見を聞いてみると、

・予約がとれず、いつもいっぱいです。

・前日の17時までに申し込まないといけないため、利用しにくいです。

・インフルエンザなどの感染症を預かってもらえないため、肝心な時に利用できません。

 

そして既存の病児保育施設を運営している医師からも意見を聞きました。

・当日にキャンセルをするため利用者が少ない。

 

提供している側の区の意見も正しい。

利用者側の住民の意見も正しい。

運営している医師の意見も正しい。

 

それぞれみんなが頑張っているにも関わらず、ニーズにあった病児保育が運営できていないというのが、私の見解でした。

これに対して私の方から、

・インターネット予約でキャンセル待ちの人にも案内が届くシステムが必要

などの提言をしたこともありましたが、そもそも運営側は、区の補助があっても赤字で運営されており設備投資が難しいこと、部屋割りが難しくなるなどの理由でなかなか変わりませんでした。

 

以上の経緯で、やはり自らが病児保育を運営し、利用率の高いモデルを作るしかないというのが、最終的な私の意思決定でした。

年間1000万円以上の補助金が入っても赤字になる事業をどのように、区の補助金なしで始め、さらに継続して行うことができるか。

そして テナント不足で銀座並みに家賃が高いと言われている、湾岸エリアでどのように場所を確保していくか。

この二つは経営者として、最も悩ましい課題でした。

 

・平日21時まで診療することで、病児保育利用前の診察は仕事が終わった後でも、夜間に受けられる体制作り。

・インターネット予約で24時間予約受付。

・インフルエンザなどの感染症のお子様も部屋を分けられるようにしたことでお預かり可能。

など既存の施設ができなかったことをチャレンジしていきました。

さらに翌週21日(月)からは、これまでインフルエンザなどの感染症を預かることができなかった「くるみルーム(豊洲の既存の病児保育施設)」もインフルエンザ感染症のお子さんを4名預かることが可能となりました。

なので、これまで湾岸地域でインフルエンザにかかると大島の病児保育施設まで行かないとお預かりができなかった状況が、

我々の施設と合わせて、合計8名までインフルエンザなどの感染症でも湾岸地域で病児保育ができる体制が築かれました。

 

しかし、実はまだ継続的な赤字(年間1000万円以上)を解消する方法は見つかっていませんでした。

その課題が、今回江東区が病児保育を2箇所増やすという決定をしていただけたので、補助金を無事に得ることができれば、我々の施設は継続して行える体制に変わることができます。

そして認可が取れたら、まずは保育園で発熱した方へのお迎えサービスを始めたいと考えています。

 

ここまでの道のりに長期間かかってしまい、応援してくださる多くの皆様をお待たせてしまい申し訳ありませんでした。

しかし、このプロセスから得られた学びはとても大きかったです。

これからも多くの社会的ニーズに応えていけるように挑戦していきますので、色々な声を我々に届けて欲しいと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

理事長 小暮裕之

 

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