子供のインフルエンザQ&A

子供が腕に注射を打たれる様子

毎年寒くなると大流行するインフルエンザ。
そこで、特に小さい子を持つ親として知っておきたいことを、ママのお悩み別で10の質問にお答えしていきます。

Q1. 予防接種の必要性について。そもそも受けなくてもいいんでしょうか?

答えはNO。インフルエンザの予防接種は6~7割の発症を予防できると科学的にも証明されています。特に5歳未満のお子さんは、重症化する確率が高いので、予防の意味でも必ず受けましょう。

また、今までワクチンを一度も打ったことがない人がインフルエンザにかかると、免疫がないので大人でも重症化するケースがあります。「今までかかったことがないから私は大丈夫」という安易な考えは危険です。

Q2. 予防接種を受ける時期が難しい…。いつがベストですか?

ずばり、早く受けるのが正解です。予防接種の効果は接種後約6ヵ月と言われています。
もっとも流行するのが12月~2月ですが、重症度の高いA型、特にH1N1の流行は2009年にも夏から流行しており、近年インフルエンザの流行が早くなっている事も考慮し10月中には1回目を打つのが理想的ですね(子どもの場合は4週間開けて2度接種が必要です)。

また、春に流行するB型は重症度が低い事が多く、ワクチンの効果もA型より低いと言われています。そのため春のB型に流行に合わせるのではなく、A型の流行に合わせて10月から接種することを勧めています。特に今年はまれにみるワクチン不足となっていますが、受けられるうちに早めに打つのが理想です。

Q3.赤ちゃんや卵アレルギーがあると受けてはいけないの?

インフルエンザワクチンは卵から作られているので、昔はそう言われていましたが、ワクチンの中には卵はほぼ入っていませんので、基本的には気にしなくて大丈夫。
生後6ヵ月を過ぎた赤ちゃんであれば卵を食べていなくても予防接種を受けられます。かかって重症化になるリスクを考えたら私は予防接種をおすすめします。

Q4.妊産婦は受けても大丈夫?

大丈夫です。お腹の中の赤ちゃんにも妊婦さんがワクチンを受ける事で免疫が胎盤を通して伝わります。むしろ、予防接種をしないでインフルエンザにかかった妊婦さんが流産してしまう場合ありますので、妊娠を考えている方も打っておいてほしいですね。

Q5.風邪との症状の見分け方が分かりません。

一般的には、風邪は鼻水や咳といった症状が局所から徐々に出てきますが、インフルエンザの場合は、熱や寒さ、関節の痛みなどの全身症状が急に出てきます。心拍が早くなるのも特徴です。

発熱後は、早すぎるとインフルエンザかどうかの見分けが付かないこともありますが、2~3時間で分かる場合もあります。辛いときは早めに受診をしましょう。

Q6.タミフルの副作用が怖いんですが…。

異常行動が出るというのも昔の話。今ではそれはタミフルによるものではなく、インフルエンザによる症状のひとつと言われています。
タミフルは強い薬というイメージがあるかもしれませんが、体内ではインフルエンザの病原菌にしか効かないので、抗生物質よりも安心度は高いです。

また、最近は吸入タイプの「リレンザ(5回吸入)」と「イナビル(1回のみ)」というものがあります。深呼吸ができる6歳以上の子でしたら、タミフルと同じ効果がありますので医師と相談してみてください。「イナビル」は一度でいいので楽な面もありますが、失敗するともう服用できないので、きちんと吸入ができる年齢に達してから使うようにしましょう。

Q7.子どもが2回接種するのはなぜ?(1回でも効果はあるの?)

ワクチンをどれだけ打ったかでインフルエンザの抗体(免疫)がついてきます。つまり、ワクチンを毎年接種することで、より抗体がつきやすくなります。

子どもは生まれてから年数が少ないので、大人よりも回数を増やして抗体を多く作っていくために2回接種します。1回でも効果がゼロとは言いませんが、2回受けるほうがより効果が高いです。

Q8.インフルエンザにかかったことがない子とシーズンで3度かかる子の違いとは?

これはもう予防と運しかありませんね。大きく分けると、夏の終わりごろからでるインフルエンザはA(H1N1)型、12~2月に流行するのはA香港型、春先はB型とタイプが異なりますので、3度かかってしまう人もいるんです。ただ予防接種をしていればかかったとしても軽く済みます。

「夏の終わりに一度かかったからこの冬は予防接種しなくていい」ということはありませんのでご注意を!

Q9.家族の感染を防ぐにはどうすればいい?(かかった際の対処法)

インフルエンザは飛沫感染によるものなので、手洗い、うがい、マスクを徹底しましょう。家族にインフルエンザが出たら、感染者は治るまでなるべく部屋から出ないこと。可能であれば寝室を分けるか2m以上離す、唾液や鼻水などが付く可能性のあるタオルや食器類は別にするように。

あとは、しっかりとした栄養と睡眠、適度な運動を心がけてください。先日、子供がインフルエンザに罹ってしまったお母さんのお話をご紹介させていただきます。飛沫感染(2m)を予防するために、寝るときに子供の頭と逆側(つまり子供の足側)で母が寝るようにしていたら、無事にうつりませんでしたという体験談をいただきました。

Q10.登園する際の注意点とは?(集団感染を防ぐためにすべきこと)

日本はインフルエンザ予防接種の後進国と言われています。昔は学校などでも集団接種がありましたが、今ではさまざまなリスク回避の点から各自の判断で受けることになりました。
そもそも、日本で製造されるワクチンの総数がとても少なく国民全員に行き渡らず、値段も高いので実際に受ける人は少ないのが現状です。

一方、他国と比べても治療代が安く医療機関も多い日本では、タミフルの使用数が世界の7割と言われるほど医療先進国と言えます。つまり、「かかったら薬で直せばいい」という考え方なのかもしれません。


とは言え、インフルエンザは特に小さな子やお年寄りは肺炎や脳症など重症化するととても危険な病気です。地域で、家族で、保育園や幼稚園などの集団で予防接種率を上げ、発症予防をしようという意識を持つことがとても大切です。 また、インターネットなどで流れてくる間違った情報や古い情報を鵜呑みにせずに、常に正しい情報を見極める目を持つこともママには心がけて欲しいと思います。

Q11.インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準について

国内外の事例においては、以下の基礎疾患を有する方についてはインフルエンザ感染症の入院数や重症化率、死亡率が高いことが確認されています。

1. 慢性呼吸器疾患

気管支喘息や COPD、気道分泌物の誤嚥のリスクのある方(脳性麻痺、認知機能障害、精神運動発達障害等)を含む。

2. 慢性心疾患

血行動態に障害がある方。高血圧を除く。

3. 慢性腎疾患

透析中の方、腎移植後の方。

4. 慢性肝疾患

慢性肝炎を除く

5. 神経疾患・神経筋疾患

免疫異常状態、あるいは呼吸障害等の身体脆弱状態を生じた疾患・状態を対象とする。

6. 血液疾患

鉄欠乏性貧血、免疫抑制療法を受けていない特発性血小板減尐性紫斑病と溶血性貧血を除く。

7. 糖尿病

妊婦・小児、併発症のある者。又はインスリン及び経口糖尿病薬による治療を必要とする方。

8. 疾患や治療に伴う免疫抑制状態

悪性腫瘍、関節リウマチ・膠原病、内分泌疾患、消化器疾患、HIV 感染症等を含む。

9. その他の小児科領域の慢性疾患

染色体異常症、重症心身障害児者など

事前にインフルエンザのワクチンを毎年接種することで、より抗体がつきやすくなります。ワクチン不足となる年もあるため、お悩みの場合は当院にご相談ください。

有明みんなクリニック・有明こどもクリニックの取り組み

小暮裕之先生

有明みんなクリニック、有明こどもクリニックでは、毎年10月からインフルエンザワクチンの予約を開始しています。11月末ぐらいから徐々にインフルエンザ陽性の患者さんが出始めますので、早めの接種をお勧めします。

有明みんなクリニック・有明こどもクリニック理事長 小暮裕之先生 プロフィール

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