ネフローゼ症候群
どんな病気なの?
ネフローゼ症候群とは、尿から大量の蛋白が漏れ出し(蛋白尿)、その結果血液中の蛋白が減少する病気です。血液中の蛋白が少なくなると、血管の中と外の浸透圧を同じにするために、血液中の水分成分が血管の外に漏出します。その結果、皮膚の下の組織に血管から漏れ出た水分が過剰に溜まってむくみ(浮腫)となります。顔が腫れたり、手足が腫れぼったくなったりします。むくみがある子どもの病気の代表が、ネフローゼ症候群という腎臓の病気です。
ネフローゼ症候群の原因は?
ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体基底膜というところが障害された結果、血液中の蛋白が尿中に大量に漏れ出して起こります。他の病気が原因で起こるものもありますが、約90%は原因不明で、特発性ネフローゼ症候群と呼ばれます。日本では1年間に小児10万人に約5人が発症し、男の子は女の子の約2倍多く発症し、また約50%が5歳未満に発症すると言われています。
どんな検査をするの?
腎臓以外の疾患でむくみを生じることもあるため、むくんでいる時は必ず尿検査を行い、異常の有無を確認します。ネフローゼ症候群では、蛋白尿が強陽性で、血尿はないかあっても軽度です。血液検査では、低蛋白血症、高コレステロール血症がみられます。診断がつけば入院して治療します。1歳未満で発症した場合や持続的に血尿がみられる場合などは、腎生検による組織診断を行った上で治療方針を決定します。
どうやって治療するの?
治療はステロイド剤の内服です(主にプレドニンというお薬を使用します)。約80%は治療に反応して一旦は蛋白尿が消えます(寛解と呼びます)。しかし、ステロイド剤中止後に再発することが多く、約40%が頻回に再発すると言われています。頻回再発型ネフローゼやステロイド依存性ネフローゼという重症のタイプでは、繰り返し使用するステロイドの副作用(肥満、成長障害、骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、眼圧の上昇、感染症など)が大きな問題になります。稀にステロイドに反応せず寛解しないタイプ(ステロイド抵抗性ネフローゼ)もあり、その場合は多くが腎不全に進行し、将来透析が必要になることもあります。頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼやステロイド抵抗性ネフローゼでは、免疫抑制薬(ネオーラルやエンドキサン、プログラフなど)や生物学的製剤(リツキサン)などを組み合わせた治療も行われています。
外来経過観察のポイント
むくみのチェックはやはり顔で、特に瞼の腫れに注意します。一般的には腎臓疾患によるむくみは顔に現れます(心臓疾患によるむくみは下腿に生じることが多いです)。日常的にときどき認められるむくみにはクインケ浮腫(血管性浮腫)があります。これは蕁麻疹の一種で、急に瞼や唇が腫れぼったくなりますが、通常3日程度で治ります。おしっこの量や色に注意し、むくみが2、3日続くようであれば病院を受診するようにしましょう。
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