健康コラム/脂質異常症について正しく知ろう!

■脂質異常症とは

日本人にとって高血圧は国民病といっても過言ではなく、国内での高血圧の患者数は4300万人と推定されます。診断基準としては、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されます。

■脂質異常症を放置すると

脂質異常症があっても自覚症状がないことがほとんどです。しかし、脂質異常症が進むと命の危険を招くことがあります。その危険とは、動脈硬化です。脂質異常症がない状態では、血管の壁は弾力があり血液もサラサラと流れ、多少の血圧変動にも血管は耐えることができます。これに対し、脂質異常症が進むと血管の内側にコレステロールなどの脂質が付着し増えてしまい、血管の壁は弾力を失い、血液もドロドロと流れが悪くなり、動脈硬化を引き起こします。そして動脈硬化が進むと、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞、狭心症といった命を脅かす病気を引き起こします。

■脂質異常症の原因

<食事>

脂質異常症の原因は、複数の因子が重なっているケースが多く、1つに絞ることはむずかしいですが、食事から摂る脂肪の過剰摂取は注意が必要です。また脂肪の量だけでなく、摂取する「脂肪の質」にも注意してください。動物性脂肪を控え、魚介類や植物性の脂肪を摂取することを心がけるといいでしょう。

<肝機能障害>

脂質異常症の診断の指標となるLDLコレステロール、HDLコレステロールは、その多くの量が肝臓で作られます。さらに肝臓はコレステロールの働きもコントロールしています。  

そのため、肝機能障害が脂質異常症の原因となることがあります。アルコールの過剰摂取も肝機能を低下させる可能性があり、適量を心がけることが大切です。

<運動不足>

中性脂肪も脂質異常症の診断の指標となり、運動不足によって増加する傾向にあります。その理由は、中性脂肪は食事によって取り込んだエネルギーが余った場合に肝臓で合成され、皮下脂肪として蓄えられる仕組みだからです。

<家族性高コレステロール血症>

家族性高コレステロール血症は、生まれつき血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が異常に増えてしまう病気です。家族性高コレステロール血症は、遺伝子異常により血液中のLDLコレステロールが血液の中に溜まってしまいます。家族性高コレステロール血症では、コレステロールが沈着し、脂肪のかたまりが手足の腱や皮膚にできたり、コレステロールの白い色素が黒目のふちに沿って沈着し、白い輪のようにみえるなどの症状が表れます。そういった症状を疑った場合は、速やかに医療機関を受診して下さい。

前述した二次性高血圧の場合は、高血圧の原因になっている疾患の治療を行います。

薬物治療を行う際も生活習慣の改善を継続することでより効果が期待できます。また、血圧は正常という方も油断せずに生活習慣を見直し、高血圧の予防を心がけてみてはいかがでしょうか。

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