吃音(どもり)

吃音とは?

吃音(きつおん、どもり)というと、ドラマ「裸の大将放浪記」の中で、軽い言語障害と知的障害を持った実在の天才画家山下清氏が、「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくは、お、お、お、おにぎりが、す、す、す、好きなんだな」とどもりながら話す姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。あるいは、アカデミー賞作品「英国王のスピーチ」で、幼いころから吃音に悩まされていたヨーク公(ジョージ6世)が型破りなオーストラリア人の言語聴覚士ライオネル・ローグとともに吃音を克服する姿をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。

 吃音とは医学的に定義すると、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつで、① 繰り返し(連発)、② 引き伸ばし(伸発)、③阻止(ブロック・難発)の3つが中核症状とされます。

① 繰り返し(連発)

 「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくが」、「おか、おか、おか、おかあさん」のように初めの音や言葉の一部を何回か繰り返す話し方です。「おかあさん、おかあさん、おかあさんがね」のように言葉全体を繰り返したり、「お、おかあさんが」のように1回だけの繰り返しは、吃音ではない子どもにもよくみられる非流暢な話し方です。

② 引き伸ばし(伸発)

 「ぼーーーくがね」のように初めの音を引き伸ばす話し方で、吃音以外の子どもにはあまりみられない症状です。ただし、音を引き伸ばす方言やお友達の名前などを特別に伸ばす場合はあてはまりません。

③ 阻止(ブロック・難発)

 言いたいことがあるのに、最初の言葉が出づらく、力を込めて話す(時に顔面をゆがめることなどもある)話し方です。これ以外に、身体を揺すりながら話すとか、口を大きく開けたまま止まってしまうとか、息を荒げて話す場合もあります。

吃音の原因について

吃音の原因は特定されておらず、決して親御さんの育て方に問題があるわけではありません。言葉が急に伸びる2~4歳頃に、10~20人に1人くらいの割合で起こるといわれています。お子さんによっては、新学期や発表会の前になると調子が悪くなり、時間が経つと軽減してくるなど、吃音の症状には波があります。多くのお子さんは、成長とともに良くなっていくといわれていますが、そのためには良い環境が必要です。

基本的な対応

まず基本的な対応として重要なのは、吃音のある子どもに話し方のアドバイスはしないことです。「ゆっくり言ってごらん」「深呼吸して」「落ち着いて」などは却って混乱してしまいます。つっかえながらも一生懸命話そうとしている時は、遮らずに最後まで聞いてあげてください。最後に「~だったね」と、話の内容を繰り返したり、まとめて返してあげてください。子どもは伝わった嬉しさと、お話しすることの楽しさを感じることが出来ます。

 吃音がたくさん出ている時は、「どうして?」「どんなふうに?」などの難しい質問や難しい説明を求めることは避けましょう。吃音が出やすくなります。

お友達からの指摘や真似、からかいは止めさせてください。「わざとじゃないよ。そうなることもあるね。一生懸命お話ししているから、ちゃんと聞こうね」という大人たちの対応が子どもたちのモデルになります。

 自信の持てる機会(得意なことを褒められる体験など)を多く作ってください。話し方だけにとらわれるのではなく、自己肯定感を育むことが出来ます。

 お子さんが苦しそうでなく、親御さんが落ち着いた対応が出来ている場合には、もう少し様子をみても良いでしょう。しかし、吃音症状の改善がみられず、特に身体に力を入れて話そうとするようになってきた場合や、本人から話しづらさの訴えがある場合などは、具体的にお子さんの生活や特徴に合わせた方法を専門家と一緒に考えていく必要があるかも知れません。幼児を扱う言語聴覚士のいる施設や、小学校の言葉の教室で幼児を扱っている施設、大学の教育学部で言葉の相談に応じている相談室がある場合もあります。まずは、かかりつけ医や地域の児童発達支援センター、保健センターなどにご相談ください。

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