良性発作性頭位めまい症 BPPV
特定の頭位をとった際にのみおこるめまいを、良性発作性頭位めまい症(BPPV)といいます。内耳の中の耳石という石がはずれて、三半規管の中に入って起きる病気で、耳鼻科のめまいの病気で一番多い疾患です。
めまいの性状としては、回転性(グルグル)の激しいめまいが多いのが特徴で、耳鳴り、難聴などの聴覚症状は認めません。
症状の特徴
・特定の頭位をとると、回転性のめまいが起こる。
「朝起きて座った時に目が回った」
「ベッドの中で寝返りをした時に目が回った」
「洗濯物を干そうと上を見上げた時に目が回った」
「棚の上の物を取ろうとした時に目が回った」
「洗髪や洗顔で下を向いた時に目が回った」
・めまいの持続時間
1回あたりの持続時間は1分以内のことが多い。
・随伴症状
基本的に耳鳴り、難聴、耳閉感など耳の症状は伴わない。
統計
めまいが主訴の患者の約3~4割がBPPVで、50-70歳台の女性に多いです。
検査
赤外線を使用したカメラを使って頭を動かした際の眼の動きを見て診断します。
耳鳴り、難聴などの聴覚症状ある場合は、めまいの原因が他の病気の可能性もあるので聞こえの検査などをすることがあります。
治療
めまいがひどい時は、めまいを和らげる薬を使用して治療しますが、根本的には、石が元の位置に戻るか、消失すると治るので、寝返り運動療法などのリハビリが有効です。
予後
比較的治りやすく、1週間で約半数が治癒しますが、1ヶ月以上続くこともあります。
4人に1人が再発し、再発は6ヶ月以内に生じることが多いです。