高血圧
■高血圧とは
日本人にとって高血圧は国民病といっても過言ではなく、国内での高血圧の患者数は4300万人と推定されます。診断基準としては、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されます。
■高血圧の原因
高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧の2つのタイプがあり、日本では高血圧の患者さんの約9割が本態性高血圧と言われます。
<本態性高血圧>
生活習慣などに起因する家族性の高血圧症で高血圧症の約90%が本態性高血圧と言われ、長期間治療薬を飲み続ける必要がある生活習慣病です。本態性高血圧の原因は、生活習慣などの環境因子が4割、遺伝因子が6割と言われ、具体的な原因は次のようなものがあります。
- 過剰な塩分摂取
- 肥満
- 過剰飲酒
- 精神的ストレス
- 自律神経の調節異常
- 運動不足
- 野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足
- 喫煙
<二次性高血圧>
血圧を上昇させるホルモンの異常や心臓・腎臓・血管などの病気に起因する高血圧を言います。高血圧症の10人に1人程度が二次性高血圧と言われていますが、安易な診察によって本態性高血圧として治療をされている患者さんがいるのが現状です。二次性高血圧では、その原因となる疾患の治療を行う必要があります。二次性高血圧を引き起こす代表的な疾患としては、腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などがあり、外科手術により治療が期待できます。
■高血圧の症状
高血圧は、自覚症状があまりないため、気づきにくい傾向にあります。重篤な疾患を引き起す以前に高血圧に伴い、「頭痛、めまい、肩こり、火照り、動機、息切れ、耳鳴り」などが起きることもありますので、そういった体調不良を見過ごさないことも大切です。
しかし、自覚症状に乏しいため、高血圧を放置している方が少なくないのが現状ですが、血圧が高い状態が続くと血管は、常に張りつめた状態に置かれ、大きなダメージを受けてしまいます。すると、次第に血管は厚く、硬くなってしまい、高血圧による動脈硬化を起こします。動脈硬化は以下の図に示すような重篤な疾患を招き、命を落とすリスクがあるため、高血圧は『サイレント・キラー』と呼ばれます。
■高血圧の治療
健康診断などをきっかけに高血圧が判明し、高血圧症の判断基準となる血圧140/90mmHgを大きく上回らず、他の病気がない患者さんの場合には、高血圧を招く生活習慣を改善することで正常血圧に戻る可能性もあります。
<生活習慣の改善>
- 塩分摂取は1日6g未満に
食塩の主成分であるナトリウムを過剰に摂取するとその濃度を薄めるために体は水分を溜め込みます。これにより、食塩を多くとると体が浮腫むといった現象が起きることもあります。溜め込んだ水分によって血液量が増え、心臓がより大きな力を必要とすし、さらに血管壁に大きな負担がかかるため血圧が上昇します。
- 肥満予防
一般にBMIが25以上を肥満症と呼び、肥満症では高血圧の頻度が2.9倍というデータもあり、肥満予防が高血圧の治療、予防に有効なことがお分かりいただけると思います。
- アルコールは適量を
アルコールに関しては個人差があるものの習慣的に飲酒量が増えると血圧が高くなる傾向があります。飲酒量を減らすことによって高血圧が改善した例は多く報告されています。飲酒の際は、適量を心がけることが大切です。
- 適度な運動
肥満防止のためにも適度な運動は必要です。脂肪燃焼効果のある有酸素運動が適しています。毎日の生活の中で無理なく続けられる散歩やウォーキング、ストレッチなどを取り入れるといいでしょう。
- 十分な睡眠
一般に人は、活動する昼に交感神経が活発で、活動量が減り睡眠へと向かう夜に副交感神経が活発になりリラックスした状態となります。睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、血圧が高くなってしまう傾向にあります。人によって個人差はありますが、最低でも6時間〜7時間の睡眠が理想と言われています。
- タバコは吸いすぎに注意
タバコに含まれるニコチンには、末梢血管を収縮させ、血圧を上昇させる作用があります。愛煙家の中には、タバコを吸うことでリラックスできると言う人もいますが、実際には、血圧が上がる傾向にありますので吸い過ぎは、要注意です。
- ストレスを溜めない
ストレスも原因は様々ですが、短期的なストレスとして分かりやすいのが、「白衣高血圧」です。白衣高血圧とは、医師や看護師の前で緊張し、その緊張がストレスとなり、診察時の血圧が普段よりも有意に高くなる現象です。日常生活の中で緊張する場面がある人は、深呼吸をするなどリラックスするように心がけてください。また、仕事が忙しい、心配ごとがあるいったこともストレスとなり、長期にストレスを抱えると自立神経のバランスを崩し、血圧が高くなる傾向にあります。趣味などを持ち、適度にストレスを解消できるといいですね。
<薬物治療>
生活習慣の改善だけでは効果が見られない場合は、薬物治療が必要となります。症状に適した降圧剤を服用します。降圧薬には、ACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬、利尿薬、α遮断薬、β遮断薬などがあり、症状によっては複数の薬を服用する場合もあります。
前述した二次性高血圧の場合は、高血圧の原因になっている疾患の治療を行います。
高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧の2つのタイプがあり、日本では高血圧の患者さんの約9割が本態性高血圧と言われます。
<本態性高血圧>
生活習慣などに起因する家族性の高血圧症で高血圧症の約90%が本態性高血圧と言われ、長期間治療薬を飲み続ける必要がある生活習慣病です。本態性高血圧の原因は、生活習慣などの環境因子が4割、遺伝因子が6割と言われ、具体的な原因は次のようなものがあります。
- ¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足
- 喫煙
<二次性高血圧>
血圧を上昇させるホルモンの異常や心臓・腎臓・血管などの病気に起因する高血圧を言います。高血圧症の10人に1人程度が二次性高血圧と言われていますが、安易な診察によって本態性高血圧として治療をされている患者さんがいるのが現状です。二次性高血圧では、その原因となる疾患の治療を行う必要があります。二次性高血圧を引き起こす代表的な疾患としては、腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などがあり、外科手術により治療が期待できます。
■高血圧の症状
高血圧は、自覚症状があまりないため、気づきにくい傾向にあります。重篤な疾患を引き起す以前に高血圧に伴い、「頭痛、めまい、肩こり、火照り、動機、息切れ、耳鳴り」などが起きることもありますので、そういった体調不良を見過ごさないことも大切です。
しかし、自覚症状に乏しいため、高血圧を放置している方が少なくないのが現状ですが、血圧が高い状態が続くと血管は、常に張りつめた状態に置かれ、大きなダメージを受けてしまいます。すると、次第に血管は厚く、硬くなってしまい、高血圧による動脈硬化を起こします。動脈硬化は以下の図に示すような重篤な疾患を招き、命を落とすリスクがあるため、高血圧は『サイレント・キラー』と呼ばれます。
■高血圧の治療
健康診断などをきっかけに高血圧が判明し、高血圧症の判断基準となる血圧140/90mmHgを大きく上回らず、他の病気がない患者さんの場合には、高血圧を招く生活習慣を改善することで正常血圧に戻る可能性もあります。
<生活習慣の改善>
- 塩分摂取は1日6g未満に
食塩の主成分であるナトリウムを過剰に摂取するとその濃度を薄めるために体は水分を溜め込みます。これにより、食塩を多くとると体が浮腫むといった現象が起きることもあります。溜め込んだ水分によって血液量が増え、心臓がより大きな力を必要とすし、さらに血管壁に大きな負担がかかるため血圧が上昇します。
- 肥満予防
一般にBMIが25以上を肥満症と呼び、肥満症では高血圧の頻度が2.9倍というデータもあり、肥満予防が高血圧の治療、予防に有効なことがお分かりいただけると思います。
- アルコールは適量を
アルコールに関しては個人差があるものの習慣的に飲酒量が増えると血圧が高くなる傾向があります。飲酒量を減らすことによって高血圧が改善した例は多く報告されています。飲酒の際は、適量を心がけることが大切です。
- 適度な運動
肥満防止のためにも適度な運動は必要です。脂肪燃焼効果のある有酸素運動が適しています。毎日の生活の中で無理なく続けられる散歩やウォーキング、ストレッチなどを取り入れるといいでしょう。
- 十分な睡眠
一般に人は、活動する昼に交感神経が活発で、活動量が減り睡眠へと向かう夜に副交感神経が活発になりリラックスした状態となります。睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、血圧が高くなってしまう傾向にあります。人によって個人差はありますが、最低でも6時間〜7時間の睡眠が理想と言われています。
- タバコは吸いすぎに注意
タバコに含まれるニコチンには、末梢血管を収縮させ、血圧を上昇させる作用があります。愛煙家の中には、タバコを吸うことでリラックスできると言う人もいますが、実際には、血圧が上がる傾向にありますので吸い過ぎは、要注意です。
- ストレスを溜めない
ストレスも原因は様々ですが、短期的なストレスとして分かりやすいのが、「白衣高血圧」です。白衣高血圧とは、医師や看護師の前で緊張し、その緊張がストレスとなり、診察時の血圧が普段よりも有意に高くなる現象です。日常生活の中で緊張する場面がある人は、深呼吸をするなどリラックスするように心がけてください。また、仕事が忙しい、心配ごとがあるいったこともストレスとなり、長期にストレスを抱えると自立神経のバランスを崩し、血圧が高くなる傾向にあります。趣味などを持ち、適度にストレスを解消できるといいですね。
<薬物治療>
生活習慣の改善だけでは効果が見られない場合は、薬物治療が必要となります。症状に適した降圧剤を服用します。降圧薬には、ACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬、利尿薬、α遮断薬、β遮断薬などがあり、症状によっては複数の薬を服用する場合もあります。
前述した二次性高血圧の場合は、高血圧の原因になっている疾患の治療を行います。
薬物治療を行う際も生活習慣の改善を継続することでより効果が期待できます。また、血圧は正常という方も油断せずに生活習慣を見直し、高血圧の予防を心がけてみてはいかがでしょうか。