コロナウイルスワクチンいよいよ各国で接種開始!!
先週より、イギリス、ロシアなどでコロナウイルスワクチン接種が開始されました。そしてカナダやアメリカでもファイザー製のコロナウイルスワクチンが緊急承認されたため、12月14日から順次接種開始が予定されています。
いずれもコロナウイルス 感染症で重症化しやすい高齢者、そして罹患しやすい医療従事者から開始されています。
現時点での治験結果からは有効性が高いことが期待されているので、ワクチン接種が順調に進めば、今後のコロナウイルス感染症が終息されることが予想されます。
そこで、現在のワクチンの種類や12月13日現在の現状について解説していきたいと思います。
ワクチンの種類
🇺🇸モデルナ | 🇺🇸ファイザー | 🇬🇧アストラゼネカ | |
有効性 | 94.1 % | 95 % | 70 % |
有効期間 (2〜8℃) | 30日 | 5日 | 半年 |
保管方法 | -30℃ | -70℃ | 冷蔵(2〜8℃) |
1回当たり 接種費用 | 約3900円 | 約2100円 | 約550円 |
日本への供給予定 | 5000 万回分 | 1億2000 万回分 | 1億2000 万回分 |
アメリカ製のモデルナ・ファイザーともに高い有効性が治験結果より得られました。こちらの有効性の評価方法ですが、ワクチンを接種したグループと偽薬を接種したグループとで、治験期間中にコロナウイルス を発症した人数の差を示しています。
例えば、ファイザーのワクチンの場合約4万4000人が治験に参加され、治験期間中にコロナウイルス を発症したのは170人でした。その170人の内訳が、ワクチン接種したグループの方は8人、偽薬のグループの方は162人と、ワクチン接種したグループの方が95%コロナウイルス の発症者が少なかったという結果になり、有効性が95%と評価されています。
まだワクチン接種をしてからどのくらい免疫が持続するかなどわからないこともありますが、とても期待できる結果です。
ただし、保管方法が冷凍になり、特にファイザー製は-70℃と日本で流通されている業務用の冷凍庫(-60℃)よりも低い温度での保管が必要になり、供給されるまでのワクチンの移動も含め、難しい課題も抱えています。
一方で、イギリス製のアストラゼネカによるワクチンは、有効性こそ70%でしたが、冷蔵保存が可能で、価格も安価なこともあり、現在まだワクチンの供給の目処が立たない途上国を中心に供給が進むことが期待されます。
副反応が疑われる症状の例
発熱、頭痛、倦怠感・悪寒、筋肉痛、アレルギー反応
注射した局所の痛み・腫れ
など、現時点ではいずれもインフルエンザなどの他のワクチンと副反応の種類は特に変わりなさそうです。
政府は健康被害が生じた場合の予防接種健康被害救済制度を設けており、医療費の自己負担分や入院通院に必要な経費を公費で支給することが検討されています。
日本はいつから始まるの?
日本は2021年前半までに全国民の分のワクチンは確保できる見込みとなっています。しかし、日本でワクチンを接種開始にするには、ファイザーなどの製薬メーカー側が厚生労働省にワクチンの有効性や安全性を示す日本国内での治験のデータを提出し、製造販売の承認を受ける必要があります。12月13日現時点でまだ接種開始時期の目処はたっていなく、早ければ2021年3月に始まる可能性があると報道されています。
オリンピックが2021年夏に開催されるとしたら、いかに “早く” 接種が進み、接種率を高め、集団免疫を獲得する事が課題になってくると思います。
しかし、12月8日イギリスより、日本のコロナ終息は先進国では最も遅い2022年4月ということが見込まれました。これは日本のワクチン接種の出遅れが響くと言われています。また他国に比べて、日本のワクチン接種方法は医療機関で行う個別接種を原則としているため時間がかかることも課題です。
そして最も早く終息するのは米国で、2021年4月。カナダは6月、英国は7月、EUは9月、オーストラリアも12月と、主要先進国はいずれも2021年内の終息が予想されています。
日本のワクチンが承認された後はどのように接種するの?
お住まいの市町村(住民票のある自治体)が住民に接種券を個別に届け、お住まいの市町村の医療機関または市町村が用意した集会所(保健センター、体育館、イベント会場など)で行われ、無料で接種できます。接種の申し込みをするには接種券が届いた後に予約制で行われることを原則とすることが決定されました。
まとめると従来のワクチン接種方法である医療機関での個別接種に加えて、自治体主催の集団接種を、コロナウイルスワクチンで行うことを厚生省は決定しました。しかし、コロナウイルスワクチンはまだ日本で承認されていなく、他国でも承認されたばかりのワクチンでもあり、未知の要素もあります。特に冷凍条件などの保管方法の難しいファイザー製のコロナウイルスワクチンによる医療機関での個別接種や、集会所での集団接種を開始するには様々な課題が出てくるのではないかという課題もあります。
ワクチンの接種希望者はどのくらい?
接種希望者は、アメリカやフランスでは約50 %、日本では20 %ほどというアンケート調査が好評されています。まだ新しいワクチンであることもあり予想されない稀な副反応などがないか、慎重な声が多い印象です。
課題のまとめ
- コロナ終息が先進国で最も遅れそうなこと
- 効率の良い接種ができるかどうか:集団接種、保管方法
- ワクチンの有効性の持続期間がまだ不明なこと
- 未知の副反応がでないかモニタリングの継続
- 接種希望者がまだ少なく慎重な声が多いこと
いずれもワクチン接種を始めながら解決していく課題かなと思うので、まずは日本においてもコロナウイルスワクチンが承認されることで解決に向かうと思うので、製薬メーカーと厚労省のスムーズな承認決定を期待したいです。
理事長 小暮裕之