子供の頭痛

子供の頭痛は決して珍しい症状ではありません。しかし、ご両親にとって子供が頭が痛いと言い始めるとやはり心配になると思います。子供の頭痛について、その分類や対応などについてみてみましょう。

まず、頭痛は一次性の頭痛と二次性の頭痛に分けられます。一次性の頭痛とははっきりとした原因がない頭痛、二次性の頭痛とは頭痛の原因となる病気がもとにあって、それに伴い頭痛が認められるような場合を指します。一次性の頭痛では片頭痛などが代表的な病気ですし、二次性の頭痛では風邪をひいて熱がありそれに伴い頭痛がある、あるいは頭をぶつけた、お鼻などに細菌が増殖する副鼻腔炎などが考えられます。子供の頭痛では二次性の頭痛が多いですが、小学校高学年から中学、高校と成長するに伴って片頭痛などが増加し一次性の頭痛も増加していきます。

では、子供が頭痛を訴えた時にどう対応するのが良いのでしょうか。まずは、緊急を要する頭痛かそうでないかを見極める必要があります。特に急激に頭痛を訴えるときには髄膜炎に代表されるような早急に治療を必要とする疾患も考えなければなりません。まずは、発熱があるかどうかです。発熱がある場合、感染症が代表的な疾患であり髄膜炎のような緊急を要する場合は、首が動かせなくなってきます。首を横に素早く振ることができるような状態であればその可能性は低くなりますが、首が固い、首を下に曲げて自分のおへそを見ることができないような状態は髄膜刺激症状といって、髄膜炎も考慮しなければいけないためすぐに受診した方が良いでしょう。もちろん、けいれんを伴った場合はすぐに救急車を呼んでいただいて構わないと思います。また、発熱はないものの吐き気や嘔吐を伴う場合も頭の中の圧力(頭蓋内圧)が上がっている可能性があり早急に受診をした方が良い症状になります。

逆に、このような症状がなく、あるいは発熱はあっても比較的元気があるなどの場合、少し鎮痛薬(アセトアミノフェン)などを用いて様子を見てみることも考えてもいいでしょう。

次に少し大きくなった小児、小学校高学年や中高生の頭痛です。報告によっては中高生の1割から2割程度の生徒には頭痛を慢性的に抱えていると言われています。これらの多くは片頭痛などの一次性頭痛であり、大人でもそうであるように、これらの頭痛は子供の日常生活に少なくない影響を与えてしまいます。その中でも頻度が比較的高いものが片頭痛と緊張性頭痛です。よく言われることですが、片頭痛はズキンズキンと拍動するような頭痛、緊張性頭痛はギューッと締め付けられるような頭痛と言われますが、明確に区別できるわけでもなくまた中間のような痛みを感じている子供も少なくありません。このような頭痛に対しては、規則正しい生活、スマホなどの寝る前の使用を控えるなど生活習慣も改善しつつ、頭痛時の薬の適切な使用などが必要になり小児科や頭痛の専門医などの受診をお勧めします。

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