熱性けいれん

熱性けいれんとは

熱性けいれんとは、脳や脊髄などの中枢神経系の感染症や代謝異常やほかの明らかな異常もない中で、てんかんの診断もない小児に起きる、発熱に伴い6か月ごろから5歳ごろ(60か月)までのけいれん発作のことを熱性けいれんと呼んでいます。

どれくらいの人がなるの?症状は?

熱性けいれんは家族や兄弟・姉妹などに熱性けいれんを繰り返したことがあるなど、家族歴が認められることがあります。そのほか1歳未満の痙攣、発熱から痙攣までが1時間未満と短い、さらには39℃以下でのけいれん発作は発作を繰り返す可能性が少し高くなる可能性のある要因です。ただし、それでも痙攣を2回以上繰り返す可能性は30%程度と言われています。逆にこれらの要因がない子でも15%程度に熱性けいれんを繰り返すこともあります。

発作としては最もよく見られるギューっと力を入れているような発作(強直性けいれんと呼びます)から、四肢をピクピク、あるいはガクガクとする全身性の発作(間代性痙攣と呼びます)のほかにも、脱力、一転をじっと見つめて反応がない、あるいは目が上を向いてしまっている(眼球上転)などの発作も含めて、様々な発作も熱性けいれんには見られます。

また、発作は15分以内に収まる単純型の熱性けいれんと15分以上にわたりけいれん発作がんみられる、あるいは24時間以内にけいれん発作が複数回みられる複雑型の熱性けいれんに分けることができます。中でも30分以上にわたりけいれん発作が収まらないものは痙攣重責発作として詳しい検査が必要になります。

対応方法

けいれん発作は多くの場合は5分以内で停止することがほとんどです。しかし、自分のお子さんがけいれんした状態で冷静に対応できる親は、ほとんどいないと言っていいと思います。5分以上痙攣が止まらなければ救急車を呼ぶべきと思われますが、けいれんを起こした時点で救急車を呼ぶことに関して、不適切な使い方ではないと思われます。ほとんどの場合、救急車が到着するころにはけいれんは停止していますが、すぐに止まるかどうかは最初から判断はできません。可能であれば、けいれんしている最中、手足の動きに左右差はなかったか、あるいは眼球はどちらを向いていたかなどを観察できていると診療の参考になります。

解熱剤やダイアップ(熱性けいれん予防)の使用について

解熱剤に関しては痙攣を起こさせないために解熱剤を使用しても痙攣の頻度が下がるというデータはありません。発熱は風邪などの感染症に対する防御反応であることが小児の場合には多く、むやみに熱を下げることが有益なわけではありません。さらに、解熱剤を使用していったん解熱した後に再び熱が上がる際にけいれんを起こしやすくなると言われることもありますがこちらもそのような明確なデータはありません。ですから、けいれんの予防のため、あるいは痙攣を起こすのが怖いからと言って解熱剤を安易に使ったり、無理に我慢したりする必要はないと思われます。あくまでもお子さんが頭痛や熱などで辛そうならば一時的に楽にしてあげるためには解熱鎮痛薬は有効な手段ですので適切に使用してあげることが重要でしょう。  

また、熱性けいれんをしたことのある人が多いなどの家族歴の強いお子さんには、状況に応じてダイアップという抗けいれん薬を、発熱したときに予防的に投与することがあります。ダイアップを予防投与するかどうかは主治医や保護者の方との相談で決定してくことですので、受診して相談していただくのが良いでしょう。

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