小児の腹痛
子供の腹痛は比較的よくみられる症状です。ただし、特に乳幼児は言葉ではその痛みを上手に表現できないので、表情や痛がり方などで判断していくしかありません。また、その原因も月齢や年齢でよくある疾患は異なっており、理解しておくことは重要です。
乳児期
この時期に最も注意すべき腹痛の原因としては腸重積という病気があげられます。腸重積とは、腸の一部がスライドして腸内にはまり込んでしまう状態を指します。腸を伸び縮みできる望遠鏡に例えると望遠鏡を縮めた時のような状態です。
主な症状としては痛くなったり、すぐに痛みがおさまったりを繰り返す間欠的腹痛(実際は大泣きしたと思ったらすぐに泣き止み、また大泣きするを繰り返すような状態)、嘔吐、血便があります。特に血便は便にうっすら付着するようなものではなく、便にはっきりと混ざる血液が確認できます(医学書ではイチゴゼリー状の血便と表現されます)。これらの3つの症状がそろわなくても、乳幼児期にこれらの症状があればすぐに受診した方が良いでしょう。
そのほか、この年齢では便秘、感染性胃腸炎なども見られます。
幼児期
この時期に多い原因が便秘です。便秘による腹痛も痛くなったり痛みが消えたりを繰り返すことが多く、痛い時にはかなり痛がる子供も少なくありません。また、基本的には夜には腸がより活発に動きますので、便秘による腹痛は比較的夜によくみられることがあります。排便がしばらくなくて、腹痛がある場合は可能性が高くなります。市販の浣腸で排便すると便秘の痛みは治まることがほとんどですが、待てるなら翌日まで待って通常の外来受診で構いませんが、どうしても痛がって大変だったり、両親がどうしても心配ならば受診して便を出してしまいましょう。
便秘と並んでよくあるのが感染性胃腸炎で、ウイルスや細菌による感染が原因です。こちらもおなかが痛くなったりおさまったりを繰り返します。嘔吐や下痢を伴い、腹痛がある場合にはこの感染性胃腸が疑われます。便が白っぽくなることも感染性胃腸炎ではよくありますが、生後間もなく認める胆道閉鎖症からくる白色便とは異なります。
さらには鼠経ヘルニア(いわゆる脱腸)が戻らなくなるなどの緊急な治療が必要なものも見られます。
幼児期以降
この時期になるとストレスなどでも腹痛を訴えることも見られるようになってきます。過敏性腸炎などはその例です。便秘や胃腸炎もまだよく見られる時期ですが、その中には、盲腸(急性虫垂炎)など、ほかの病気も隠れていることがあります。さらに、消化器官だけでなく膀胱炎、精巣茎捻転などの泌尿器疾患でも腹痛を起こすことがあります。
腹痛で注意すべき症状
保護者の方が一番気になるのは、この腹痛は様子を見ていいのか、すぐに受診した方が良いのかだと思います。腹痛は時には緊急に必要な疾患が原因となっていることがあります。最後に、すぐに受診した方が良い症状についてみてあげてみます
★ぐったりして顔色や唇の色が悪い
★おなかを触ると腹壁が固くて張っている、痛みがどんどん強くなっている
★太ももの付け根に塊(腫瘤)があり寝かせても、戻そうとしも戻らない
★血便があり続いている
★腹痛がどんどん強くなっている、あるいは3-4時間以上ずっと痛がっている
★陰嚢(おちんちんの袋の部分)が変色している、腫れているなど
★ジャンプすると響くような痛みがある
★おなかなどにぶつけた後、痛みが強くなっている
これらの症状は、腸重積や盲腸(急性虫垂炎)などの緊急な治療をしなければいけない病気が起こっている可能性を疑わせる症状です。これらの症状があれば早めの受診をした方が良いでしょう
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